Rhotic/Non-rhotic accents

Rhotic accent とは、例えば、hard や hear に見られるような母音の後の r を発音する発音様式のことである。一方、このような r を発音しない発音様式は non-rhotic accent という。

標準的なアメリカ英語 General American (GA)は rhotic、イギリスの容認発音 RP は non-rhotic であり、これが英米の標準的な英語の発音に見られる顕著な違いとしてよく知られている。

イギリス国内では、RP の他、イースト・アングリア方言やウェールズ方言も一般に non-rhotic accent であり、また、この傾向は都市化とともにイングランド北部へも広く波及している。一方、スコットランドやアイルランドの英語は一般に rhotic accent である。

以下にrhotic, non-rhotic それぞれの発音の例をいくつか示しておく。

                  rhotic          non-rhotic

     door      /dɔ:r/            /dɔ:/

     hard      /hɑ:rd/          /hɑ:d/

     hear      /hiər/            /hiə/

     partner  /pɑ:rtnər/      /pɑ:tnə/

この種の r は、古英語、中英語、初期近代英語のそれぞれの時代には基本的に発音されていたが、やがて、18世紀のイングランド(南部)においてこれが落ち始め、18世紀末までには non-rhotic accent がイングランドにおいてステータスの高い発音様式となっていたとされる。

アメリカでも、ボストンやフィラデルフィア、ヴァージニア州などに住んだイングランド系のエリート達は、(イギリスの教養層を真似て) non-rhotic accent を用いた。そして、この当時は、経済的にも政治的にも、彼らがアメリカの中心であったことから、 non-rhotic accent がステータスの高い発音様式として認められていた(現代のアメリカにも、これらの地域を中心に non-rhotic accent を用いる人がいる)。

南北戦争(1861-65年)の後、富や権力がニューヨーク、ペンシルベニア、アパラチア山脈西部等に移ると、イングランド系エリート達の影響が少ないこれらの地域で用いられていた rhotic accent が(特に繁栄したニューヨークから大きな影響を受けて)ステータスの高い発音様式とされるようになっていき、やがてこれが標準的な発音様式とみなされるようになっていった。

以下の動画は、イングランド北西部、リバプール出身のビートルズによる 'Get Back' という曲の演奏。出だしの歌詞は以下の通りだが、non-rhotic accent を反映し、下線を付した loner /lounə/ と Arizona /ærizounə/ とが韻を踏んでいる。

Jojo was a man who thought he was a loner
But he knew it wouldn't last.
Jojo left his home in Tucson, Arizona
For some California grass.