Two Leaves Printed by Wynkyn de Worde:

Jacobus de Voragine, The Golden Legend,

trans. William Caxton, 9th ed. (London, 1527)

Jacobus de Voragine(c. 1230-1298)の Legenda AureaThe Golden Legend 『黄金伝説』)は中世から近代にかけて非常に広く読まれた作品で、内容は聖人伝を集めたものである。1260年代頃に作られたものと言われている。

原典はラテン語で書かれているが、イギリスでは15世紀前半の中英語版 Gilte Legende (これはVoragineによる原典のフランス語訳 Legende Doree の訳)があり、同世紀末の1483年には William Caxton (c. 1415-22-c. 1492)による訳がCaxton自身により印刷・出版されている。

Caxton 訳はその後も繰り返し印刷され、第9版まで出ている。本書は1527年にCaxtonの弟子Wynkyn de Worde(d. 1534)によって印刷されたCaxton訳の第9版からの一葉。

Wynkyn de Wordeは、(現在ではフランスの)アルザス地方、Woerthの生まれで、1481年頃にWilliam Caxton の印刷所でアシスタントを務めるべくイングランドに移り住んだ。Caxtonの死後は後継者となり印刷を続け、宗教関連の書物を中心に400種類以上の本を印刷している。

Caxtonは教養ある富裕層をターゲットにビジネスを始め、王宮や議会があり、そのような人々の多く集まるウェストミンスターに店を構えたが、より広い購買層を意識した Wynkyn de Wordeは1500年にロンドンのシティに店を移した。彼が店を構えたのは Fleet Street で、それ以来現在まで、この通りやその周辺には印刷・出版に関わる会社が多く集まっている。

2枚目の写真は、この一葉が含まれているLeaf Bookの扉ページ。初期印刷本をはじめとする稀覯書は、一枚ずつばらばらに売られていることがよくあり、中には、解説本に現物が一枚ついているLeaf Bookとして売られていることも多い。

3, 4枚目の写真は、このLeaf Booksとは別に入手したWynkyn de Worde印刷の別の一葉。これも恐らく同じGolden Legendの第9版からのもの。St Laurence を扱った部分で、この聖人の絵が入っている。